森の空想ブログ<25-005>「神楽」と「仮面」の民俗誌 ―神楽仙人が行く/神秘の神楽紀行

     

【「神楽」と「仮面」の民俗誌  ―神楽仙人が行く/九州脊梁山地・神秘の神楽紀行】 

[概要]

九州島の骨格を形成する「九州脊梁山地」。広大な森林と渓谷に抱かれ、古風で誠実な人々が暮らす村々――そこは太古の記憶と素朴な生活文化、神事・芸能の原初の形態としての「神楽」などを伝える神秘の領域です。神楽は晩秋から冬へかけて開催される「冬まつり」。開催日のお昼過ぎに地区の神社に集まり、神事の後集落を巡り、夕刻から翌日の朝まで、夜を徹して舞い続けられます。長い年月をかけて伝承され、磨きあげられてきた古式の神楽には、国家創生の英雄たちとともに、土地の先住神が降臨し、宇宙星宿・天地自然の法則や村の歴史・神楽の由縁などを語ります。重厚かつ古朴な仮面を被ったそれらの神々こそ、いにしえの昔からその土地にいます山・森・里の精霊神なのです。この神楽を伝える村に通い続けて30余年、絵を描き、村人と交流し、仮面史の源流を探訪する旅を続けている高見乾司は村人や親しくなった子どもたちなどから「神楽仙人」と呼ばれることがあります。当人は、仙人の域にはいまだ到達しておらぬ、と言い張りますが、山嶽に雪が舞う夜や、天空を移動してゆく星座の下などで絵筆を走らせている姿に、神楽に同化し、降臨する神々と重複するイメージをもつ人があることも確かといえるでしょう。この高見乾司の仕事を通観し、全貌を展観する企画として立ち上がった企画がアート活動による地域再生プロジェクトとリンクしながら育ち初めています。神楽仙人と共に神秘の時空を旅するプロジェクトです。

<1>企画全体のテーマを「神楽と仮面の民俗誌」とし、高見乾司の30年にわたる神楽取材による絵画と蒐集した仮面のコラボ作品を広域に点在する連携施設で展示します。テーマは地域ごと、施設ごとに変化しながら推移し、神楽の神秘、仮面祭祀の古層などを探る旅となるでしょう。

<2>再生された古民家、これからアートの手法によって再生されてゆく古民家・空き家を「古民家再生ミュージアム空間」と定義し、上記<1>の作品群を展示します。

<3>会期中にシーズンを迎える「九州脊梁山地の神楽」の里を訪ね、ライブペインティング、取材、伝承者や村人との交流などを重ねます。「おしえて神楽仙人」と題して高見が現地の神楽の神秘や謎、仮面神との関連などについて語るシーンを設定してあります。

<4>これらの企画は記録され、インターネット等を通じて随時発信されます。

<5>これらの活動がアートによる地域再生のプロジェクトとなり、次の現代アート企画等へと展開することを目標とし、個人や関係各機関の協力・支援を得るものとします。

《関連施設と展示の内容》

<企画1>「演劇仮面と古民家再生ミュージアム空間」

◇会場 由布院空想の森美術館

◇会期 2025年10月10日~11月30日*冬季(12月・1月・2月)は閉館。

◇主催 由布院空想の森美術館 大分県由布市湯布院町川北平原1358

Tel 0977-85-7542 090-5940-0062(担当・高見剛)

☆同館は冬季(12月・1月・2月)は、道路凍結等の影響により休館となりますが、全体企画進行中は展示を継続。ご予約いただき、道路状況が良ければ開館します。

☆2025年に関西万博で開催された「労働者の生活と権利を守る国際会議」のオープニングイベントとして行なわれた仮面舞踏『天岩戸伝説2025~太陽の復活~』に30点の仮面を提供し、好評を博しました。その大役を果たした仮面たちと舞台の様子を伝える写真で構成されています。施設は、大分市宮河内地区から移築された神社ゆかりの古民家と津軽地方の林檎蔵。「古民家再生ミユージアム」と名付けるにふさわしい空間となっています。

<企画2>「山神の神楽と仮面の神さまたち」

◇会場 九州民俗仮面美術館

◇会期2025年10月10日~3月31日*会期中に展示替えあり。

◇主催 九州民俗仮面美術館 宮崎県西都市穂北5248-13 tel 090-5319-4167(担当・高見)

☆盗難に遭っていた古仮面15点と神像が帰って来ました。捕えてみれば犯人は文化財専門の大泥棒。「森の空想ブログ」と「フェィスブック/高見乾司」でその顛末を連載。無事に帰って来た仮面たちを「九州民俗仮面美術館」に特設展示し、「山神」にちなむ神楽の絵とのコラボ展示とします。この施設は100年前にこの地を開拓した児童福祉の先駆者・石井十次が開始した児童福祉事業の拠点だった建物。30年前に新施設が出来て空家になっていたものを改修して仮面美術館としたものです。

<企画3>「神楽と仮面の民俗誌/神楽を伝える村から」

◇会場 友愛の森ギャラリー響界

◇会期10月10日~2026年3月30日まで

◇主催 森の空想ミュージアム/ギャラリー響界

 宮崎県西都市穂北5248 tel 090-5319-4167(担当・高見)

石井十次の福祉事業をともにした人たちが使っていた旧・教会が移転により空家になっていた施設。ここをギャラリーとして25年間、運営を続け、多くのアーティスト、作家、作品との出会いが生まれました。高千穂神楽のスケッチを中心に、神楽を伝える村の心象風景を展示します。

<企画4>「木花咲耶媛伝承の地と海神の神楽」

◇会場 木花ギャラリーtetote

◇会期 2025年10月10日から2026年3月31日

◇主催 木花ギャラリーtetote 宮崎県宮崎市木花 tel 090-3927-5607(担当・黒木彰子)

☆「木花咲耶媛伝承」を秘める木花地区に開設したギャラリー。染色家の黒木彰子さんが運営する染織と手仕事の工房。青島海岸を望むこの地域に伝承される海神の神楽と神楽の絵の小品を中心に随時展示してゆきます。彰子さんは息子の黒木アンジン君と共に友愛の森へ通い続けている常連です。アンジン君は大学の卒論で神楽と地域再生をテーマに現地取材をして書き上げました。

<企画5>「高見乾司の神楽スケッチ/九州脊梁山地・神秘の神楽紀行―諸塚編―」

□会場 諸塚村しいたけの館21ライブラリーコーナー

◇会期 2025年 10月10日(金)~11月9日(日)開館時間10:00~17:00 水曜休館

◇主催一般社団法人 諸塚村観光協会 宮崎県諸塚村家代3068 tel 0982-65-0178 

☆画家・民俗仮面研究家として活動する高見乾司が30年余り諸塚村ほか九州脊梁山地の各集落の神楽に通って描き上げた絵画を展示します。

☆ギャラリートーク 「おしえて神楽仙人/神秘の山地神楽とは」

・10月13日13:30分~ 同会場にて。

神楽の絵を描き続けて「神楽仙人」と呼ばれる高見翁が、諸塚神楽の魅力や知られざる山地神楽の秘密などについて語ります。10月18日(土)には、諸塚神社の秋祭りがあり桂神楽の奉納が行われます。今年は10月29日(水)に予定されている東京・国立能楽堂での神楽公演を控え、通常の秋祭りでの奉納に、東京で披露する予定の神楽を加えて約4時間をかけて奉納します。18日は高見氏も、諸塚神社を訪れて参列・ライブペインティングを実施する予定。

<企画6>「雪舞/吹雪の中で舞われた神秘の神楽」

◇会場 小鹿田焼ミュージアム渓声館

◇会期11月20日~2026年3月31日

◇主催 小鹿田焼ミュージアム渓声館 大分県日田市源栄町4830-3 tel 0973-29-2211

☆江戸時代の陶芸の歴史をそのままに残す小鹿田焼の里。その近くに設立された小鹿田焼の古資料500点を収蔵する古陶ミュージアム。ギタリストでもある館長の梅原勝巳氏は、神楽の里にも通います。神楽の音楽に浸り、神秘の時空間に見を委ねながら、悠久の音楽の歴史を思うのです。若いころからともに過ごした高見の神楽取材の現場スケッチを展示。高見が描いている間、梅原氏はたいてい酔っぱらって寝ていますが、それもまた一興。ある年、吹雪の舞う中で神楽が舞い続けられました。まるで中世の絵巻をみるような一場面。

<企画7>椎葉村・栂尾地区の「蔵」を改装したギャラリー

◇現在、椎葉村・栂尾の古民家/黒木俊二氏宅の倉庫の片付けと改装が開始されています。ここが企画展の会場となり、11月22日開催の栂尾神楽取材の拠点となります。

◇栂尾神楽は、椎葉神楽の古形を伝える神事性の強い神楽。山上の神社での神事の後、急な石段を神輿が下り、神社拝殿で神楽が奉納されます。

<企画8>カタスミアトアト芸術祭参加企画「神楽の荒神祭祀と杵築の宿神伝承」

◇会場 大分県杵築市山香町八幡神社のお仮屋

◇会期 2025年11月1日~12月7日

◇主催 カタスミアトアト芸術祭実行委員会 大分県杵築市山香町

Tel 090-5085-8961(二宮) 

☆神社の祭礼の際、村を巡る祭りの一行が神輿を安置する「お仮屋」に高見乾司の神楽の絵を展示し、杵築市馬場尾地区に伝わる「踊り村」と「宿神」の伝承を神楽に秘された荒神祭祀と関連して考察します。まだ民俗学が記録していない貴重なデータが提出されます。地域の「痕跡<アトアト>」を探る企画の根本に通じる事例となるでしょう。

◇ギャラリートーク 「教えて神楽仙人―神楽の秘密・謎・神秘―」

◇日時 11月8日 午後4時から日没後8時頃まで

内容 宮崎県の山間部を中心とする九州脊梁山地の神楽は、主役級の神さまとして「荒神」が出ます。神楽の骨格とされる「記紀神話」すなわち大和王権樹立の英雄たちと、地域の先住神との激突・対話・協調の物語が秘められているのです。この「荒神祭祀」は、星宿信仰や山の神・火の神の信仰と関連し、芸能者の祖神とされる「宿神」とも関連しています。その宿神祭祀を伝える「踊り村」の伝承と荒神祭祀を視野に置きながら、神楽の全貌について神楽仙人と呼ばれる高見乾司が語ります。30年以上、神楽の現場に通い、絵を描き続ける高見さんは村の子どもたちなどから「仙人」と呼ばれることがあるのです。

□11月から、26年2月まで神楽シーズン。いよいよ夜を徹したライブペインティングと取材が始まります。現地で合流するアーティストや研究者の募集を開始しています。参加は原則現地合流としますが、遠方の方、これまでに同行取材した方など、お問合せ下さい。tel 090-5319-4167 (高見乾司)

・11月22日~23日 椎葉村栂尾神楽。今季の冬神楽の幕開けです。

・11月29日~30日 高千穂・秋元神楽

・12月6日~7日 椎葉嶽之枝尾神楽

・12月13日~14日 東米良・中之又神楽→椎葉・上椎葉神楽

・12月20日~21日 西米良・村所神楽

・2026年1月31日 諸塚村・戸下神楽(日程は未定)

・2026年2月6日 諸塚村・南川神楽(日程は未定)

《2026年以降》

□26年4月から椎葉民俗芸能博物館と椎葉村内に点在する民家などで高見乾司の神楽の絵を展示する企画が開始される予定。日程調整中。

□26年4月 フクオカアジア美術館にて上記主旨の企画展(現在申し込み中)。*内定の通知あり。情報はまだ非公開。

□宮崎県日向市美々津の古民家で開催(4月開催予定で会場使用の申請中)

□宮崎県日向市細島の古民家で開催(4月開催予定で会場使用の申請中)。

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